採用、教育がカギでは? 平成21年2月22日
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労務トラブルNO.1 は 「解雇」 です。
労働基準法第20条の
・解雇予告をすれば、
・解雇予告手当を支払えば、
自由に解雇していいんでしょ?
という誤った考えの事業主が多いからかもしれません。
この解雇予告は、あくまで労働基準法上の
「解雇手続」に関する話であって、
その解雇自体が「有効」か「無効」か、とは別な話なのです。
こちらは、労働契約法第16条。
解雇は、
客観的に合理的な理由があり、それが社会常識に照らして相当、
と裁判で認められれば有効になります。
しかしそれは、とても厳格に判断されます。
よほどのことがない限り、解雇は有効とはならないのが現実です。
ですから、安易に解雇をして、訴えられて、
「事業主の解雇権の濫用だ」という事になれば、解雇は無効となります。
解雇無効=会社の負け ですから、
その労働者に対するこれまでの
未払い賃金や慰謝料等の費用が発生します。
それ以外にも、裁判費用や弁護士費用、
さらに、
本業に専念できなかったことで売上が下落、
会社に対する従業員の不信感による求心力の低下、
取引先への悪影響等、
結局、裁判に勝っても負けても、裁判になってしまった時点で
会社側は相当なダメージを受け、相当な損失を被ることになります。
ということを考えると、雇用の入り口である「採用」、
そして、解雇せざるをえないような従業員を生まないための
「教育」や「指導」というものの大切さが見えてきます。
採用を適当にしたがために、
入社後、本性を出した従業員に振り回され、
精神障害で職場を放棄した人がいます。
そうならないまでも、
コネ採用の従業員のやりたい放題を放置する会社に対し、
もはや忠誠心など萎えてしまっている現場の声も聞きます。
中小企業は、短期的な利益を追求し過ぎるあまり、
採用や教育が後回しになってしまいがちですが
従業員1人1人の及ぼす影響が大きい中小企業だからこそ、
この採用や教育が、会社の将来を左右するカギになるのではないかと思います。
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学生の頃、いろいろなアルバイトをしました。すべて接客業です。
今思えば、そのほとんどの上司から何の教育もされませんでした。
ところが一軒だけ、ものすごく口うるさいマネジャーがいるお店がありました。
正直、そのマネジャーのことは嫌いでした。
私自身未熟だったせいもあり、その人の言った言葉より、
その人に言われた事が癇に障ったからです。
とは言っても、その指導の言葉には、妙な説得力があったのです。
その内容は、常にお客様の立場にたっての指導だったからです。
こういうことをすると、お客様はこう思って、2度と来なくなるぞ、というように。
自分がお客様の立場に立てば 頷ける内容でした。
そして、その後何年経っても思い出されるのが
そのマネジャーから叱られた言葉、
結果を出した時に褒めてくれた言葉、
そのマネジャーの仕事に対する厳しさ です。
なんにも注意されなかった、甘やかされた記憶のある上司のことは、
今では全く思い出しませんし、尊敬もしていません。
愛情のある教育は、いつまでも心に残るものですし、
すぐに結果は出ないが、でもとても大事なことなんだなと、
この仕事をするようになってますます思うのです。
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